先日、『博士の愛した数式』を観ました。
決して派手な作品ではありませんでしたが、不思議と泣けてくる作品で、記憶障害の博士が認識する世界が、数字によって表現されていて、「今ここ」の世界を温かく表現しているように感じました。
人間は皆、認識疾患であり、脳機能の正常な人はいないということ、今ここをどう認識するか、自分自身をどう思うのかがその人の幸せを決めるのだとこの映画を通して、さらに深く感じました。
また、博士と、主人公、その母親の出会いを観たときに、過去にとらわれず今ここで出会うことがいかに幸せなのかを、考えさせられました。
そして、映画を通して、普段は冷たく感じられる数のイメージが変わり、この世界を説明する数字の細かさと繊細さ、明確に説明する正しさ、真理を数式を通して美しくあたたかく表現していることも感じました。
日本は仏教や神道を通して、悟りの世界が根付いているように思いますが、数学や物理学、科学的なものを通して、真理の世界を説明する価値をこの映画は教えてくれていると思います。